アブサンスプーンの対話 I. 巡礼 ; ガラスの刻、仄かな光の中で

田口 賢治 Kenji Taguchi
アブサンスプーンの対話 I. 巡礼 ; ガラスの刻 、仄かな光の中で/ラビンドラナート・タゴール『ギーターンジャリ』を読む
イベント
2017. 2. 24 – 2. 26

消えている電球に向かって詩を読む
つぶやき 独り言 内緒話 どれでもない
声にならない音 音にならない言葉
吐く息が電球を揺らす ガラスを曇らせる

窓に透けた白い布を二重に
ふたつの窓に同じ映像を映す
二重三重となった映像の向こうはいま ここ

テンポの違いでふたつの映像は少しずつずれ
片方はもう片方の影 残像 そのリズムは
30車両の車輪がレールを跳ねる音になるか

夜露に濡れた窓の光 ガラスに反射する車内
ホームに座り込む人々 走り出し流れる街灯
陽の光 街 空 大地

30時間の間に停車する60の駅と

駅と駅との間を過ぎ去る60の空白

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