study 18 / 錆と雨
黑多弘文 Hirofumi Kurota
study 18 / 錆と雨
展示
2014. 2. 11 – 2. 18
天に向けたカメラレンズに雨が打つ
その映像を鏡にぶつけた
錆は花びら
磨り硝子を通して春の光がちらりと踊った
訝しんで扉を少しずらしてみると
すでに誰もいない
ただほんのり甘い匂いが鼻をつかむ
鏡のつらを薫香が色をなし映ったのだろうか
梅が香 そらの昼まに かがやひて
不安定な完全でない強くない断片のような
ものにはかないものに場所の存在の記憶が
ある またはそこはここでない場所
はなの色をはなで見る
室内に雨の音を響かせた